テレビドラマ 『風のガーデン』
テレビに良質なドラマを期待することがなくなって久しい。
朝刊のテレビ番組欄に、その日に見たい番組にマーカーペンで印をつけるのが日課のひとつだが、
印が一つも無い日も時々ある。テレビが好きなんだけれど、テレビに好かれなくなってしまったようだ。
久しぶりに大人のテレビドラマを堪能している。深く体の奥までしみ渡って、不思議に “なつかしさ” を
感じさせる番組。初めて見るドラマなのに、“なつかしい” と思うのも変ですが、なにか人の底の底に
流れる、母親の羊水のような懐かしさなのかも知れない。
このような良質なドラマを、“良し” と感得する自分の60年近い人生も、まんざら捨てたものでもない。
平原綾香の 『ノクターン』 は、夜想曲というよりも、晴れ上がった空の下で迎える人生の終曲のようで、
物悲しくはあるけれど、人の死の荘厳さを高らかに歌い上げているように感じられる。
昨夜の放送では、「奥田瑛二」扮する二神達也(政財界を揺るがす株不正取引の黒幕)が、病院の
ベッドで死を迎えたというメールが主人公の携帯に入る場面があった。
出来ればあの場面は、病院の中庭で車椅子に横たわる二神、横に看護婦さんと娘を付き添わせ、
点滴を受けながら、まぶしそうに晴れ上がった青空を見つめながら静かに息をひきとるという風であって
欲しかった。そのとき平原綾香の 『ノクターン』 が流れたら、オジサンはもう滂沱の涙である。




























