(続)「・・・のような・・・」
この冬、ファーム富田でチェロのミニ・コンサートがあり、花人の舎の一階ホールで心温まる時を
もたせていただきました。会場の真中にステージ代わりの台を置き、その周りを取り囲むように
客席が造られているのですが、招待を受けた方々はなぜか恐る恐る隅の方から座り始め、ステージ
の前がガラ空き状態。そこで私、この時とばかり勇気を振り絞り、カブリツキに座らせてもらいました。
というのは、ある事がらを確かめたかったからでもあります。
音楽の録音技術が今ほど進んでいなかった頃、チェロの録音でよく使われた誉め言葉に、
「松ヤニの飛び散る音が聞こえるような録音」というのが有りました。ご存知のように弦楽器の弓には
弦との摩擦を増すため、松ヤニをすり込む訳ですが、その松ヤニが演奏中に擦れて飛び散る。
その飛び散る音が聞こえるような、というわけです。
当日、外は雪。暖かいホールのカブリツキで、私、あの藤原真理さん (有名なチェリスト) と2mと
離れていない位置から目を皿にして、いや耳をそばだて、松ヤニやいかに・・・・・・。
バッハの無伴奏あり、アニメ映画 「風の谷のナウシカ」 ありでしたが、やはり北海道・富良野です、
ここは。そう、フォーレの「夢のあとに」。テレビ・ドラマ 「北の国から・遺言」 で、泣かせる場面になる
と流れるあの切ないメロディー。この曲は 「北の国から」のために書かれたんじゃないかなんて、
思ったりして。
それで (話をまとめなくては)、結局、松ヤニですが、飛び散る音は聴こえませんでした (当たり前
ですが)。
「現実に有り得ないことを、さも有り得るような気にさせる、リアリティー豊かな表現」 とでも言うんで
しょうか、この 『松ヤニ』 の件は。
畑を耕す手を休め、丘を眺めながら、私も一つ作ってみました。
美瑛の丘を評して―「神様の手が、やさしく撫で上げたような丘の曲線」。ちょっとイヤラシかったか。
























